AIDドナー不足の現状──日本の精子提供に何が起きているのか
AID(非配偶者間人工授精)は、男性不妊のご夫婦にとって重要な選択肢の一つです。しかし近年、日本国内ではAIDを実施できる医療機関の減少とドナー不足が深刻な問題となっています。
AIDを実施する施設は限られており、希望してもなかなか受けられない状況が生じています。その背景には何があるのか、そして精子提供を望む方はどうすればいいのか。最新の状況を整理します。
なぜAIDのドナーは減り続けるのか
出自を知る権利への懸念
ドナー減少の背景の一つとして指摘されているのが、「出自を知る権利」をめぐる議論です。将来、提供で生まれた子どもがドナーの情報開示を求める可能性がある──この点がドナー候補者にとって大きなハードルとなっています。
海外ではすでにドナーの匿名性を廃止した国もあり、日本でも法整備の議論が進んでいます。「将来、知らない子どもから連絡が来るかもしれない」という不安が、ドナーを引き受けるかどうかの判断に影響しているとの指摘もあります。
実施医療機関の減少
▶ 受け入れを縮小する医療機関も
法的な整備が途上にある中で、ドナーの確保が難しくなったことなどから、AIDの新規受け入れを停止した医療機関もあると報じられています。受け入れ先が減ることで、ドナーも集まりにくくなるという悪循環も懸念されています。
待機期間の長期化と当事者への影響
ドナー不足の直接的な影響は、待機期間の長期化です。AIDを希望しても、実際に提供を受けられるまでに長い期間を要する場合があります。
待つ期間が長くなるほど、ご自身の年齢のことが気にかかるという声もあります。どのくらい待つことになるのかは施設やご状況によって異なりますので、検討されている医療機関に見通しをご確認ください。
選択肢を広げる必要性
▶ 民間精子バンクという選択肢
医療機関でのAIDが難しい状況の中、民間の精子バンクを検討する方もいます。なお、民間の精子バンクは医療機関ではありません。ロジカル精子バンクでは、ご提案するドナーについて身元確認と感染症・性病検査の結果を確認し、契約書を取り交わして進めることを標準としています。
今後の見通しと求められる体制整備
第三者の精子・卵子を用いる生殖補助医療のルールを定める「特定生殖補助医療に関する法律案」は、2025年2月に参議院に提出されましたが、成立しないまま会期が終わり(未了)、2026年10月時点で再提出は確認できていません。法制化の見通しはまだ不透明です。
大切なのは、「待つ」だけでなく、今どのような選択肢があるのかを、それぞれのリスクも含めて知ることです。精子提供の流れを確認し、ご自身に合った方法を検討してみてください。
ロジカル精子バンクでは、AIDを検討中の方からのご相談もお受けしています。無料ヒアリングで現在の状況をお聞かせください。
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