不妊治療の選択肢を調べていると、「顕微授精(ICSI)」という言葉を目にすることがあります。体外受精(IVF)と混同されがちですが、実は顕微授精は体外受精の一種で、受精のさせ方に大きな違いがあります。本記事では、顕微授精の基本・体外受精との違い・適応ケース・妊娠率などを、わかりやすく整理してご紹介します。
顕微授精(ICSI)とは何か
顕微授精は英語で Intracytoplasmic Sperm Injection(細胞質内精子注入法)、略して ICSI(イクシー)と呼ばれます。名前のとおり、顕微鏡下で極細のガラス針を使い、選別した精子1つを卵子の細胞質内に直接注入する受精方法です。
体外受精の一種ではありますが、通常の体外受精(IVF)は「ふりかけ法」とも呼ばれ、シャーレに入れた卵子の周りに精子を多数置き、精子自身の力で受精するのを待ちます。つまり「精子が自力で卵子に入る」のが従来の体外受精、「人の手で精子を卵子に入れる」のが顕微授精、という違いです。
体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)の違い
両者の違いを整理すると次のとおりです。
▶ 受精方法
IVF:卵子の周りに精子を多数ふりかけ、精子自身の力で受精
ICSI:顕微鏡下で1つの精子を選び、卵子の細胞質内に直接注入
▶ 必要な精子の状態
IVF:一定以上の運動精子数が必要
ICSI:運動精子が極端に少なくても実施可能(1つでも良好な精子があれば受精を試せる)
▶ 妊娠率(2021年データ・移植あたり)
IVF:約23.6%
ICSI:約32.9%(射出精子と精巣精子の合計)
▶ 費用
ICSIはIVFより技術料が加算されるのが一般的です(クリニックにより設定は異なります)。
顕微授精が選ばれるケース
顕微授精は、次のようなケースで選択されることが多い治療法です。
まず、男性不妊の要因として精子数が非常に少ない・運動率が低い・奇形率が高い場合。従来の体外受精では受精に至らないリスクが高く、顕微授精のほうが確実性が増します。次に、以前の体外受精で受精がうまくいかなかった方。受精障害の可能性が疑われる場合、次周期は顕微授精に切り替えるのが一般的です。
さらに、精巣から直接採取した精子(TESE:精巣内精子採取術)を使う場合も顕微授精が選ばれます。射出精液から得られた精子より数が限られるため、顕微授精での確実な受精が目指されます。
顕微授精のリスクと判断のポイント
顕微授精は高度な技術で、精子と卵子の自然な選択プロセスを経ないため、将来的な影響についての議論は世界中で続けられています。厚生労働省や関連学会も継続的にデータを追跡しており、現時点で「顕微授精児に明らかな健康リスクがある」という結論は出ていませんが、あくまで慎重に選ぶべき選択肢であることは変わりません。
そのため、男性不妊の所見が明らかでない場合は、通常のIVFを試して受精障害が確認されてからICSIに切り替える段階的な判断がとられることもあります。一方で、精子数・運動率の低下が明らかなケースや、以前のIVFで受精障害があったケースでは、最初からICSIを選ぶのが標準的です。治療方針はクリニックと十分に相談し、ご自身の状態・年齢・これまでの経過をふまえて決定することが大切です。
精子提供での顕微授精活用
精子提供を受けて妊活をする場合、提供された精子の状態や受け手の卵子の状態によっては、顕微授精が選択肢となることがあります。ロジカル精子バンクでは、提供者の精液所見を事前に確認しているため、体外受精・顕微授精ともに対応できる品質を提供しています。詳しくは無料ヒアリングでご相談ください。
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