精子提供を受けることを検討する際、「子どもが将来、自分のルーツを知りたいと思ったらどうするか」という問題は避けて通れません。近年、海外ではこの「出自を知る権利」に関する法整備が急速に進んでいます。
本記事では、出自を知る権利とは何か、海外ではどのような動きがあるのか、そして日本の現状と課題について整理します。
「出自を知る権利」とは何か
出自を知る権利とは、精子提供や卵子提供など第三者の生殖細胞を用いて生まれた子どもが、自分の遺伝的な親(ドナー)に関する情報を知ることができる権利のことです。
国連の「子どもの権利条約」第7条には、「子どもは、できる限りその父母を知る権利を有する」と記されています。この条文を根拠に、多くの国でドナー情報の開示に関する法律が整備されてきました。
子どもにとって「自分がどこから来たのか」を知ることは、アイデンティティの形成に深く関わる問題です。思春期や成人後に「遺伝的な親は誰なのか」という疑問を抱くことは自然なことであり、その答えにアクセスできるかどうかは子どもの精神的な安定に影響します。
海外ではどこまで進んでいるのか
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これらの国に共通するのは、「子どもの知る権利はドナーのプライバシーに優先する」という考え方です。
日本の現状と課題
日本では2021年に「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律」が施行されましたが、この法律が定めたのは主に親子関係の法的な整理(提供を受けた女性が母、同意した夫が父)であり、出自を知る権利については「今後検討する」と先送りされたままです。
つまり、現時点の日本では、精子提供で生まれた子どもがドナーの情報を知る法的な仕組みが存在しません。医療機関でのAIDは匿名が原則であり、提供者の情報は血液型以外ほぼ開示されません。
この状況は、精子提供を受ける側にとっても、将来の子どもにとっても、大きな不安要素です。法整備が追いつくのを待つ間に、個人レベルでできる「将来に備えた情報の確保」が重要になります。
ロジカル精子バンクの対応
ロジカル精子バンクでは、すべてのドナーに対して公的書類(マイナンバーカード・卒業証明書・在職証明書等)による身元確認を義務付けており、ドナーの情報は正確に記録・管理されています。
法的な開示制度が整備されていない現在の日本において、「将来子どもがルーツを知りたいと思ったときに、正確な情報が残っている」という安心感を提供できることは、匿名のSNS提供や、情報がほぼ開示されない医療機関のAIDとの大きな違いです。
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