身内からの精子提供を考えている方へ

身内(兄弟・親族)からの精子提供を考えている方へ|家族で確かめておきたいことと、第三者のドナーという選択肢

夫の兄弟や親族に精子提供を頼めないか——そう考えるご家族もいらっしゃいます。医療機関で行う場合の学会の見解、国の審議会の報告書で示された考え方、法律上の親子関係、家族の中で話し合っておきたいこと、そして家族の外で第三者のドナーを探す選択肢を整理しました。ロジカル精子バンクは有料のサービスです(ご相談は無料)。

匿名で相談OK オンライン中心・対面も可 身元確認・検査結果の確認 無理な勧誘なし

夫の兄弟や、いとこなどの親族に、精子の提供を頼めないか——ご夫婦で男性側の不妊がわかったときや、ご家族で子どもを迎える方法を考えるなかで、身内からの提供が頭に浮かぶ方もいらっしゃると思います。「血のつながりを残したい」「人柄をよく知っている人のほうが安心できる」と考えるのは、自然なことです。

このページは、身内からの提供を選ぶことを止めるためのものではありません。身内に頼む場合も、家族の外でドナーを探す場合も、医療機関の取り決めや日本の法律、そして家族の関係が関わってきます。話を切り出す前に何を確かめておくとよいのか、そして家族の外で探す場合にはどんな道があるのかを、決める前の材料として整理しました(2026年10月時点の情報です)。

このページの要点

・医療機関で行うAID(提供精子を用いた人工授精)について、日本産科婦人科学会の見解では精子提供者は匿名とするとされています。身内からの提供で医療機関での実施を考えている場合は、受診先に先に確かめておく必要があります。

・国の審議会の報告書(2003年)では、兄弟姉妹等からの提供について「当分の間、認めない」という考え方が示されました。法律ではありませんが、その理由には、家族の中で話し合っておきたい点が含まれています。

・ロジカル精子バンクは、家族の外でドナーを探す民間の精子バンクです(医療機関ではありません)。ご利用には入会金と紹介料がかかります(ご相談は無料です)。当バンクで確認していることと、できないこともお伝えします。

身内からの提供が選択肢にのぼる理由

身内からの提供を考える方の背景には、たとえば次のような思いがあります。

▶ 夫の家族との血のつながりを残したい
夫の兄弟など、夫と血縁のある方から提供を受ければ、子どもと夫の家族との血のつながりが残る——そう考えて、身内からの提供を検討する方もいらっしゃいます。

▶ 知らない人より、人柄を知っている人のほうが安心できる
どんな人なのかわからない相手より、普段から知っている身内のほうが安心できる、という気持ちもあると思います。

▶ どこに相談すればよいのかわからない
精子提供について相談できる先が身近になく、まず家族の中で解決できないかと考える方もいらっしゃいます。

どの思いも、自然なものです。そのうえで、次の章から、身内からの提供について医療機関や国の議論でどう扱われてきたかを、順に見ていきます。

医療機関で行う場合|学会の見解では提供者は匿名

医療機関で行うAID(提供精子を用いた人工授精)について、日本産科婦人科学会の見解(令和8年6月改定)には、次のように定められています。

「精子提供者のプライバシー保護のため精子提供者は匿名とするが,実施医師は精子提供者の記録を保存するものとする.」
(日本産科婦人科学会「提供精子を用いた人工授精に関する見解・指針」)

見解の解説では、「提供者はクライエントに対し匿名とされる」とも記されています。身内からの提供は、提供を受ける側が提供者をはじめから知っているかたちです。そのため、医療機関で身内からの精子を使った人工授精を考えている場合は、そうした実施を受け付けているかどうかを、受診先の医療機関に先に確かめておく必要があります。

同じ見解では、このほかにも、AIDの被実施者を「法的に婚姻している夫婦」とすることや、感染の危険性を考慮して凍結保存した精子を用いること(解説では、感染症に空白期間(ウインドウ期)があることを考慮し、少なくとも180日凍結保存するとされています)なども定められています(ここで紹介したのは見解の一部で、医療機関で行うAIDについての取り決めです)。AIDの全体像はAID(提供精子を用いた人工授精)を考えている方へで整理しています。

国の審議会の報告書で示された考え方

身内からの提供については、国の審議会でも議論されたことがあります。厚生科学審議会生殖補助医療部会の「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療制度の整備に関する報告書」(平成15年4月28日)は、医療機関で行う、提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の制度のあり方をまとめたものです。この報告書では、提供は匿名とすることを原則としたうえで、兄弟姉妹等からの提供について、次のように結論づけています。

「兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供は、当分の間、認めず、精子・卵子・胚の提供者の匿名性が保持された生殖補助医療が実施されてから一定期間が経過した後に、兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供による生殖補助医療の実施の是非について再検討することとする。」
(厚生科学審議会生殖補助医療部会「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療制度の整備に関する報告書」)

報告書が挙げた主な理由は、次の2つです。

▶ 人間関係が複雑になりやすいこと
兄弟姉妹等からの提供では、提供者の匿名性が保たれなくなり、遺伝上の親である提供者が、提供を受けた人や生まれた子にとって身近な存在になります。そのため、提供者が兄弟姉妹等ではない場合以上に人間関係が複雑になりやすく、子の福祉の観点から適当ではない事態が数多く発生することが考えられる、とされました。

▶ 頼まれる側への心理的な圧力になること
兄弟姉妹等からの提供を認めることは、兄弟姉妹等に対する心理的な圧力となり、提供を強要されるような弊害の発生も想定される、とされました。

一方で、報告書には別の意見も記されています。この部会より前の専門委員会の報告では、提供する人が兄弟姉妹等以外にいない場合に、十分な説明・カウンセリングが行われることなどを条件として、兄弟姉妹等からの提供を認めるとされていました。部会でも、匿名での提供がない場合に限って認めるべきだという少数意見がありました。

なお、この報告書は国の審議会の考え方を示したもので、法律ではありません。また、医療機関で行う生殖補助医療を前提にした議論です。報告書の結論をそのまま医療機関の外に当てはめるものではありませんが、ここで挙げられた2つの理由は、身内に頼む前に家族で考えておきたい点と重なっています。次の章で、具体的に整理します。

身内に頼む前に、家族で話し合っておきたい4つのこと

ここに挙げるのは、身内からの提供の良し悪しではなく、身内に頼むと決める前に、ご家族で確かめておきたい点です。家族の外でドナーを探す場合にも、当てはまるものがあります。

1.頼まれる側は、本当に断れるか

家族からの頼みは、断りにくいものです。報告書でも、頼まれる側への心理的な圧力が理由に挙げられていました。頼まれた方が、気兼ねなく断れる形で話を切り出せるか。また、頼まれた方に配偶者やパートナーがいる場合、その方の気持ちも関わってきます。返事を急がせない、断られても関係が変わらないことを先に伝えておく、といった配慮が欠かせません。

2.提供者が身近にいることを、家族全員が受け止められるか

身内からの提供では、提供者は、子どもにとっておじなどの立場で、法事やお正月など家族が集まる場で顔を合わせることもあるでしょう。子どもが成長していくなかで、提供者やその家族、ご両親(子どもの祖父母)がどう関わるのか。当事者だけでなく、周りの家族の受け止め方まで含めて考えておきたい点です。周囲への伝え方は精子提供のことを親や周囲に打ち明けるべき?もご覧ください。

3.子どもに、いつ・どう伝えるか

提供者が身内の場合、子どもが事実を知るときには、「提供者は身近なあの人だった」ということも同時に知ることになります。一方で、提供者がどんな人なのかを子どもが知ることができる、という面もあります。家族の中で秘密を守り続けることの負担も含めて、伝えるかどうか、伝えるならいつ・どのように伝えるかを、ご夫婦と提供者の間で先に話し合っておきましょう。考え方は精子提供で生まれた子どもにいつ・どう伝えるか、子どもが自分の出自を知ることをめぐる議論は精子提供で生まれた子どもの「出自を知る権利」とは?で整理しています。

4.法律上の親子関係と、取り決めを書面に残すか

生殖補助医療に関する民法の特例法(令和2年法律第76号)の第十条は、「妻が、夫の同意を得て、夫以外の男性の精子(その精子に由来する胚を含む。)を用いた生殖補助医療により懐胎した子については、夫、子又は妻は、民法第七百七十四条第一項及び第三項の規定にかかわらず、その子が嫡出であることを否認することができない。」と定めています。この規定は、法律上の婚姻をしているご夫婦が、夫の同意を得て「生殖補助医療」(この法律の第二条で、人工授精又は体外受精若しくは体外受精胚移植を用いた医療と定義されています)によって懐胎した場合についてのもので、すべての提供のかたちに当てはまるものではありません。ご自宅で行う方法がこの定義に当てはまるかどうかは、条文上明らかではありません。婚姻していない場合の取扱いは、現時点では法整備の途上にあります。また、この法律には、精子を提供した男性と生まれた子との親子関係について定めた規定はありません。これは、提供者が身内の場合も同じです。家族の間だと口約束で済ませてしまいがちですが、取り決めを書面に残すかどうかも含めて、ご自身の状況については弁護士など専門家にご相談ください。契約書の役割は精子提供における「契約書」の役割とは?で整理しています。

このほか、提供者の感染症の検査をどうするかも、身内だからこそ切り出しにくい点です。医療機関で行う場合は、受診先の医療機関の方針に従って確認することになります。医療機関を通さない場合も、感染症や妊娠に関する医学的なご判断は医療機関にご相談ください。また、提供者とご本人(妻)との血縁の有無など医学的な点も、医療機関にご相談ください。

家族の外で探すという選択肢|ロジカル精子バンクで確認していること・できないこと

ロジカル精子バンクは、家族の外でドナーを探してご提案する民間の精子バンクです。身内に頼むか、家族の外で探すかは、ご家族の事情によって変わります。家族の外で探す場合、身内に頼むときのように家族の中で頼む・断るという負担は生じにくい一方で、提供者がどんな人なのかを確かめる手間は、ご自身にもかかります。ここでは、当バンクを選んだ場合に何ができて、何ができないのかをそのままお伝えします。

▶ できないこと
当バンクは医療機関ではありません。診断・治療の適応や、妊娠の可否についてはお答えできません。妊娠を保証するものでもありません。性行為による提供(タイミング法)も行っていません。当バンクがご案内しているのは新鮮な精子でのご提供で、医療機関で行うAIDの凍結保存精液の枠組みとは異なります。凍結保存した精子での方法をご希望の場合は、対象になる方であれば医療機関でのAIDが選択肢になります。

▶ 確認していること
ご提案するドナーについては、身元確認と、感染症・性病検査の結果、職業・学歴・資格の証明を確認しています。ご提供の前には、公的書類と検査結果をお客様ご自身にも改めてご確認いただけます。確認の時期や範囲はご状況によって異なりますので、お申し込み前にお尋ねください。お子さんのために残す情報の範囲や、2人目に同じドナーを希望できるかといった当バンクでの扱いも、お申し込み前にお尋ねください(書面でのご確認をおすすめします)。確認はリスクを下げるための取り組みであって、リスクをゼロにするものではありません。ウインドウ期があることは、当バンクを介する場合も同じです。なお、民間の精子バンクには公的な認定制度はないため、どの窓口を選ぶかはご自身で見極めていただく必要があります。

▶ 進め方
ご入会後、ご希望の条件をお伺いし、条件に近い候補者をお探ししてご提案できるよう努めます。ご相談からご提案まではオンライン中心で進められ、LINEからは匿名のままお問い合わせいただけます。ご希望の方には、ドナーとの面談(ご不安な場合は担当者が同席します)や、なりすましのリスクを下げるための、その場での採取・対面での受け渡しにも対応しています。いずれの場合も、性的接触を伴うご案内は一切ありません。ご提供はシリンジ法、または医療機関での方法のみで、医療機関での方法をご希望の方には、ご状況に応じて提携医療機関のご紹介にも対応しています(ご紹介の可否や範囲はプランによって異なります)。契約書を取り交わして進めます。

進め方の詳細はご利用の流れ、確認の内容は安全性・検査体制、登録しているドナーは登録ドナー一覧でご覧いただけます。将来2人目を考えている場合は、2人目も同じドナーを希望したいときもあわせてご覧ください。

当バンクの費用|入会金・紹介料と、別にかかるもの

ご相談は無料です。ご利用には「入会金」と「紹介料」がかかり、ご指定いただける条件によって4つのプランに分かれています。ご指定いただける条件はプランによって異なります。金額は料金についてに掲載しています(料金は予告なく変更となる場合があります。最新の内容はご相談時にご案内します)。

このほか、ドナーの精子提供活動にかかるホテル代や交通費などの実費を、ドナーへお支払いいただく場合があります(特定商取引法に基づく表記に記載しています)。医療機関での方法をお選びの場合、人工授精や体外受精、各種検査の費用は医療機関にお支払いいただくもので、当バンクの費用とは別に発生します。

医療機関と民間とで費用の構造がどう違うのかは、精子提供の費用|保険適用・自費治療の境目もあわせてご覧ください。

ご状況別に、次に読むページ

▶ ご夫婦で、男性側の不妊が分かった方
無精子症と診断されたら|精子提供という選択肢をご覧ください。法律上のご夫婦で無精子症などの診断がある場合は、医療機関でのAIDの対象になることもあります(AIDのページ)。まずは受診先にご相談ください。精子提供は治療を否定するものではなく、医療機関での治療と並ぶ選択肢の一つです。

▶ おひとりで子どもを迎えたい方
親族や知人に頼むことを考えている方もいらっしゃると思います。国内で進める場合の手順と、資金や支援制度の考え方は選択的シングルマザーという選択肢にまとめています。

▶ 女性同士のカップルの方
お二人とも法律上の親になれるのか、という点は、提供者が身内でも家族の外の方でも同じように問題になります。国内の受け入れ状況と法律上の親子関係は同性カップルで子どもを迎えたい方へで整理しています。

▶ 精子バンクの仕組みから知りたい方
国内の精子バンクがどんな仕組みで動いているかは精子バンクとは?日本での仕組み・費用・選び方、医療機関と民間の窓口の違いは医療機関と民間バンクの違いと選び方で比べられます。

よくあるご質問

▶ 身内から精子提供を受けることは、法律で禁止されていますか?
国の審議会の報告書(2003年)では、兄弟姉妹等からの提供は「当分の間、認めない」という考え方が示されましたが、これは審議会の考え方で、法律ではありません。医療機関で行う場合は、日本産科婦人科学会の見解(精子提供者は匿名とする)や各医療機関の方針が関わるため、受診先にご確認ください。ご自身の状況についての法的なご判断は、弁護士など専門家にご相談ください。

▶ 医療機関で、夫の兄弟の精子を使って人工授精を受けられますか?
日本産科婦人科学会の見解では、医療機関で行うAIDの精子提供者は匿名とするとされています。身内からの精子を使った実施を受け付けているかどうかは、受診先の医療機関に直接ご確認ください。

▶ 夫の兄弟から提供を受けた場合、子どもの法律上の父親はどうなりますか?
法律上の婚姻をしているご夫婦が、夫の同意を得て、夫以外の男性の精子を用いた「生殖補助医療」(特例法の第二条で、人工授精又は体外受精若しくは体外受精胚移植を用いた医療と定義されています)により懐胎した場合、特例法の第十条により、夫、子又は妻は、その子が嫡出であることを否認することができないと定められています。条文は「夫以外の男性の精子」としていて、提供者が身内かどうかで区別はしていません。ただし、すべての提供のかたちに当てはまるものではなく、ご自宅で行う方法がこの定義に当てはまるかどうかは条文上明らかではありません。また、この法律には、精子を提供した男性と生まれた子との親子関係について定めた規定はありません。ご自身の状況については、弁護士など専門家にご相談ください。

▶ 身内に頼むか、精子バンクを使うか迷っています。相談だけでもできますか?
はい。ご相談は無料です(当バンクのご利用は有料で、入会金と紹介料がかかります)。どちらがよいかはご家族の事情によって変わるため、当バンクのご利用を前提にしなくてもかまいません。当バンクでできることと、できないことをお伝えします。

▶ 匿名のまま相談できますか?
はい。LINEからは、お名前を伏せたままご相談いただけます。メールフォームをご利用の場合は、お名前などの入力が必要です(お問い合わせ)。

※ 当バンクは医療機関ではありません。診断・治療・妊娠を保証するものではなく、医学的なご判断は医療機関にご相談ください。
※ 感染症の検査には、感染してから検査で分かるようになるまでの空白期間(ウインドウ期)があるとされています。確認はリスクを下げるための取り組みであり、リスクをゼロにするものではありません。これは当バンクを介する場合も同じです。
※ 契約書は当事者間の取り決めを記録に残すためのもので、認知など生まれたお子さんご自身の権利をあらかじめ制限するものではありません。個別のご判断は弁護士など専門家にご相談ください。
※ 法制度は検討の途上にあり、今後変わる可能性があります。このページの内容は2026年10月時点のものです。

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Flow

ご相談から提供までの流れ

01

無料で相談

LINE・お電話なら匿名のままご相談いただけます(メールフォームはお名前等のご入力が必要です)。

02

ヒアリング

ご希望やご状況をオンラインで丁寧にお伺いします。

03

候補者のご提案

ご希望条件に近いドナー候補のご提案に努めます。

04

条件の相談

方法・費用・進め方を納得いくまでご相談。

05

方法のご案内

シリンジ法・医療機関での方法をご案内。

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