当事者の悩みと向き合う 精子提供の実例

【実例】夫が精子提供を受け入れられない|無精子症夫婦が話し合ったこと

「精子提供の話をすると、夫が黙ってしまうんです」

30代の奥様からいただいたご相談でした。

ご主人は無精子症と診断されていました。夫自身の精子による妊娠が難しい。その現実を受けて、奥様が調べ始めたのが第三者からの精子提供でした。

しかし、ご主人は受け入れられませんでした。

「嫌だ」

最初は、それだけでした。奥様が理由を聞いても、「分からない」「でも嫌なんだよ」。

そして、何度も話し合ったある夜。ご主人が初めて本当の気持ちを話しました。

「他の男の子どもを、俺が自分の子として育てられる自信がない」

奥様は、何も言えませんでした。

精子提供という選択肢があることを知った。だからといって、夫婦がすぐに選べるわけではありません。

今回のご夫婦が悩んだのは、単に、「精子提供を受けるか、受けないか」ではありませんでした。

血のつながりとは何なのか。ドナーとは誰なのか。父親とは何なのか。そして、二人はなぜ子どもを望んでいるのか。

夫婦は、何度も話して、何度も話をやめて、また考えることになりました。

※本記事は、無精子症・男性不妊・第三者からの精子提供について寄せられるご相談や一般的な相談傾向を参考に、個人が特定されないよう再構成した事例です。特定のご夫婦の経過をそのまま掲載したものではありません。無精子症の状態や治療方針、その後の医学的な選択肢は一人ひとり異なります。医療上の判断については、男性不妊を扱う専門の医療機関へご相談ください。

今回のご相談

  • ご相談者:30代ご夫婦
  • 精子提供を考え始めた理由:夫が無精子症と診断され、夫自身の精子による妊娠が難しい状況となった
  • 妻の気持ち:精子提供も含め、子どもを持つための選択肢を知りたい
  • 夫の気持ち:第三者からの精子提供を受け入れられない
  • 最初のご相談内容:「夫が精子提供を嫌がっています。どう話せばいいのか分かりません」

診断を受けてから精子提供を検討し始めるまでの流れそのものについては、別のご夫婦の事例を【実例】夫が無精子症と診断|精子が見つからず「精子提供」を考えた30代夫婦にまとめています。この記事では、そのなかでも「夫が受け入れられない」という一点に絞ってお伝えします。

夫が精子提供を受け入れられない場合、まず「何が怖いのか」を整理する

夫が精子提供を受け入れられない場合、無理に説得して先へ進めるのではなく、何に抵抗を感じているのかを整理することが重要です。

血のつながりがなくなることへの不安。自分だけが子どもと遺伝的につながらないことへの複雑な気持ち。父親になれるのかという迷い。ドナーという存在への抵抗。そして、自分自身の精子で子どもを持てない可能性を受け止めきれない喪失感。

理由は、一つとは限りません。

今回のご夫婦も、最初はご主人自身が、「なぜ嫌なのか」をうまく言葉にできませんでした。

無精子症と診断された日の帰り道

妊活を始めてから、なかなか妊娠しませんでした。奥様だけでなく、ご主人も検査を受けました。

ご主人自身は、「俺も一応やっておくか」くらいの気持ちだったそうです。

ところが、精液中に精子が確認されませんでした。再検査。男性不妊についての検査。医師から、無精子症について説明を受けました。

無精子症の分類や検査の進み方については、無精子症と診断されたら|原因・分類・治療と精子提供という選択肢で解説しています。

車の中で、ずっと窓の外を見ていた

病院を出たあと、ご主人はほとんど話しませんでした。帰りの車でも、ずっと窓の外を見ていました。

普段なら、「腹減ったな」「どっか寄る?」。そんなことを言う人でした。でも、その日は違いました。

家の近くまで来た頃。ご主人が初めて口を開きました。

「これって」

「うん」

「俺が原因ってこと?」

奥様は、「原因とか、そういう言い方しなくていいよ」と答えました。

ご主人は、少し間を置いて、「でも俺じゃん」と言いました。

「ごめん。子ども欲しかっただろ」

その日の夜。布団に入ってから、ご主人が言いました。

「ごめん」

奥様は、「何が?」と聞きました。

「子ども」

「……」

「欲しかっただろ」

奥様は、「まだ全部決まったわけじゃないでしょ」と答えました。

でも、ご主人は何も言いませんでした。奥様の方を向くこともありませんでした。

妻は「精子提供」という選択肢を知った

奥様は、無精子症について調べ始めました。

「無精子症 妊娠」「無精子症 子供」「無精子症 治療」「無精子症 精子 見つからない」「無精子症 精子提供」

検索していく中で、第三者から提供された精子によって妊娠を目指す方法があることを知りました。

精子提供。精子ドナー。AID。精子バンク。精子提供マッチング。

知らなかった言葉が、次々と出てきました。AIDとは何か?精子提供を調べ始めた方が最初に知っておくべき基本用語で、この段階でよく出てくる言葉を整理しています。

奥様が最初に感じたのは、「まだ方法がある」ということでした。子どもを持つことを、今すぐ諦めなくてもいいかもしれない。

でも、ご主人の受け取り方はまったく違いました。

「精子提供っていう方法もあるみたい」

夕食のあと。奥様がスマートフォンを見せながら言いました。

「精子提供っていう方法もあるみたい」

ご主人は、画面を見ました。少し読んで、スマートフォンをテーブルに戻しました。

「俺はいい」

奥様には、意味が分かりませんでした。

「いいって?」

「やらなくていい」

「なんで?」

「なんでも」

「でも子ども欲しいって言ってたじゃん」

「だからって、これは違う」

ご主人は、それ以上話しませんでした。

夫は「精子提供に反対」なのか、自分でも分からなかった

数日後。奥様がもう一度聞きました。

「精子提供が嫌なの?」

「うん」

「なんで?」

「分かんない」

「分かんないって……」

「分かんないけど嫌なんだよ」

奥様は、腹が立ったそうです。

自分は毎日調べている。無精子症について。治療について。これからの選択肢について。でも夫は、「嫌だ」だけ。

「じゃあ私はどうすればいいの?」

ある夜。とうとう喧嘩になりました。

「嫌だ嫌だって、それだけじゃ何も決まらないじゃん」

「じゃあどうしろって言うんだよ」

「私だって分からないよ」

「だったらやめればいいじゃん」

「何を?」

「子ども」

奥様は黙りました。そして、言ってしまいました。

「私は欲しいよ」

ご主人も、黙りました。

「俺の子じゃなくても?」

少しして、ご主人が聞きました。

「俺の子じゃなくても欲しいの?」

奥様は、すぐには答えられませんでした。

「あなたの子じゃないっていう言い方は違うと思う」

「違わないだろ」

「遺伝的にはそうだけど」

「じゃあ俺の子じゃないじゃん」

この頃から、夫婦の間で、何度も同じ言葉が出るようになりました。

「俺の子」とは何なのか。二人とも、答えを持っていませんでした。

夫が精子提供を受け入れられない理由は「血のつながり」だけではない

何度か話すうちに、ご主人が少しずつ気持ちを話すようになりました。

最初に出てきたのは、血のつながりがなくなることへの不安でした。

「お前とは血がつながるんだよな」

「うん」

「でも俺とはつながらないんだろ」

「遺伝的にはね」

「それで本当に同じように思えるのかな」

奥様は、「分からない」と答えました。ご主人は、少し驚いた顔をしました。

でも、ご主人が抱えていたのは、血のつながりだけではありませんでした。

  • 自分だけが遺伝的につながらないこと
  • ドナーという男性の存在
  • 本当に父親になれるのかという不安
  • 自分の精子で子どもを持てないことへの悲しみ
  • 妻に対する罪悪感
  • 「自分ではなく別の男性なら子どもを持てる」という現実

いくつもの感情が、重なっていました。「血のつながりか、育てる絆か」という問いそのものについては、【男性不妊】血の繋がりか、育てる絆か。第三者提供(AID)を決断するまでの「心の整理」とステップでも取り上げています。

妻も「絶対に大丈夫」とは言わなかった

奥様は続けました。

「私だって分からないよ」

「え?」

「生まれたこともないし、育てたこともないんだから」

「……」

「絶対大丈夫なんて言えない」

ご主人は黙りました。

「でも、一緒に考えたいとは思ってる」

その日は、そこで話を終えました。

奥様が、「絶対愛せるよ」と言い切らなかったこと。それが逆に、ご主人には少し救いになったそうです。

夫の中では「他人の子を育てる」ことになっていた

ご主人の中では、精子提供とは、「他の男性の子どもを、自分が育てること」でした。

だから、怖かった。妻とは遺伝的につながる。でも、自分とはつながらない。

「子どもの顔を見たときにドナーのことを考えないか」「自分に全然似ていなかったらどうするのか」「将来、喧嘩したときに血がつながっていないと思ってしまわないか」「本当に自分の子として愛せるのか」

考えれば考えるほど、不安になりました。

「俺、ドナーに嫉妬すると思う」

ある日。ご主人が言いました。

「多分、俺、嫉妬すると思う」

奥様は、「誰に?」と聞きました。

「ドナー」

意外な答えでした。

「会ったこともない人でしょ?」

「そうだけど」

「何に嫉妬するの?」

ご主人は少し考えて、言いました。

「俺が一番欲しかったものを、その人は持ってるから」

奥様は、そこで初めて気づきました。

夫は、精子提供に反対しているだけではない。まだ、自分自身の精子で子どもを持つ未来を失ったことを受け止めきれていない。

精子提供の話をするたびに、その現実を突きつけられていたのかもしれません。

ドナーをどのような存在として考えるかは、匿名・非匿名の考え方とも関わります。精子提供は匿名と非匿名どちらがいい?それぞれのメリットと考え方もあわせてご覧ください。

妻は一度、精子提供の話をやめた

それから、奥様は精子提供の話をしなくなりました。一週間。二週間。一か月。

奥様自身は、調べ続けていました。でも、夫には見せませんでした。

精子提供を受けるかどうかより、まず夫が何を感じているのか。そこを待つことにしました。

話し合いが止まってしまう時期があること自体は、めずらしいことではありません。精子提供は夫婦関係にどう影響する?すれ違いを防ぐためにできることでも触れています。

ある夜、夫が「精子提供 父親」と検索していた

二人でソファに座っていたときでした。ご主人が、スマートフォンをテーブルに置きました。画面がついたままでした。

そこに、検索結果が表示されていました。

「精子提供 父親」

奥様は、何も言いませんでした。

翌日。今度はご主人の方から聞きました。

「精子提供ってさ」

「うん」

「ドナーって選べるの?」

奥様は、「希望条件で探せるところもあるみたい」と答えました。

「血液型とか?」

「うん」

「年齢も?」

「そういう情報を見られるところもあるみたい」

ご主人が、自分から精子提供について調べ始めていました。

民間の精子バンクでどのような情報を確認できるのかは、精子提供のドナーはどう選ぶ?民間バンクで確認できる情報と選び方にまとめています。なお、ご指定いただける条件は料金プランによって異なります。

「夫に似たドナーならどう?」と言われても、夫は嫌だった

奥様は、一度だけ提案しました。

「もし受けるなら、あなたに似た人を探すこともできるかもしれないよ」

でも、ご主人は複雑そうな顔をしました。

「それも嫌なんだよな」

「なんで?」

「俺の代用品を探してるみたいで」

精子提供を検討するご夫婦の中には、夫と同じ血液型や近い身長・体格など、夫に近い特徴を持つ精子ドナーを希望するケースがあります。ただ、それを夫本人がどう感じるかは人によって異なります。

実際に「夫に似たドナー」を希望したご夫婦の様子は、【実例】夫が無精子症と診断|精子が見つからず「精子提供」を考えた30代夫婦でも紹介しています。

「子どもが欲しい」の意味を二人で考えた

ある休日。ご主人から聞きました。

「なんでそんなに子ども欲しいの?」

奥様は、すぐには答えられませんでした。

「なんでだろうね」

「俺の精子じゃなくても?」

また、その質問でした。

奥様は少し考えてから、言いました。

「あなたの遺伝子が欲しくて結婚したわけじゃないから」

ご主人は黙りました。

「私はあなたと家族になりたかった」

「うん」

「その家族に、子どもがいたらいいなって思ってる」

「じゃあ父親って何なんだろうな」

その日の夜。ご主人が言いました。

「じゃあ父親って何なんだろうな」

奥様は、「分かんない」と答えました。

「精子を出した人?」

「それだけじゃないと思う」

「じゃあ何?」

二人とも、すぐには答えられませんでした。

「全部やっても、父親じゃないのかな」

ご主人は、そこから別のことを考えるようになりました。

妊娠中に一緒に病院へ行く。生まれたら抱く。夜泣きで起きる。ミルクをあげる。保育園へ送る。熱を出したら心配する。運動会へ行く。宿題を見る。反抗期に喧嘩する。成人した姿を見る。

「そういうの全部やっても、血がつながってなかったら父親じゃないのかな」

奥様は、「私は父親だと思う」と答えました。

それでも、夫はすぐに精子提供を受け入れたわけではなかった

ここは、とても重要なところです。

ご主人が、父親について考え始めた。精子提供について自分で調べ始めた。だからといって、翌日、「精子提供を受けよう」となったわけではありません。

怖さは残っていました。迷いもありました。何度も、「やっぱり無理かも」と言いました。

奥様も、何度か、「もうこの話やめようか」と言いました。

進んでは戻る。また話す。またやめる。その繰り返しでした。

「俺だけ置いていかないでほしい」

話し合いを続けていた頃。ご主人が言いました。

「一個だけお願いしていい?」

「何?」

「俺だけ置いていかないでほしい」

奥様は、意味が分かりませんでした。

「お前はもう、精子提供で進みたいって思ってるだろ」

「……うん」

「俺はまだそこまで行ってない」

「うん」

「だから、俺がまだ無理なのに勝手に先に進まないでほしい」

奥様は、「分かった」と答えました。

夫婦で「精子提供をするか」ではなく「知るところ」から始めた

そこから、二人は考え方を変えました。精子提供を受けるかどうかを、今すぐ決めることをやめました。

まず、知る。

  • どんな方法があるのか
  • どのようなドナー情報があるのか
  • 何を確認できるのか
  • 本人確認はどうするのか
  • 感染症検査はどうするのか
  • 精液検査はどうするのか
  • 提供方法はどうするのか
  • 提供回数をどう考えるのか
  • 提供後の関係をどうするのか
  • 生まれてくる子どもの出自についてどう考えるのか

「精子提供を決めるため」ではなく、「夫婦で考えるため」に調べることにしました。

それぞれの論点は、精子提供で身元確認はなぜ必要?「感染症検査」はなぜ重要?シリンジ法とは?「出自を知る権利」とは?で個別に解説しています。夫婦で何を話しておくとよいかは精子提供を始める前に夫婦・カップルで話し合うべき5つのこともご覧ください。

ドナーのプロフィールを見ることにも夫は抵抗があった

実際にドナーについて調べ始めると、ご主人はまた戸惑いました。

年齢。血液型。身長。体格。学歴。職業。健康状態。

男性のプロフィールを見て、候補を考える。そのこと自体に抵抗がありました。

「なんか、俺の代わり探してるみたいだな」

奥様は、「代わりじゃないよ」と答えました。

「ドナーは俺の代わりじゃない」

何度も話す中で、ご主人の考え方が少しずつ変わりました。

「他の男の子どもを俺が育てる」と考えると、どうしても無理だった。

でも、「俺たちが子どもを迎えるために、その人に力を貸してもらう」と考えると、少し違いました。

ご主人は言いました。

「その人が父親になるわけじゃないんだよな」

奥様は、「私はそう思ってる」と答えました。

「父親になるのは俺?」

「あなた以外、誰がいるの」

ご主人は、少し笑いました。

「精子提供だから父親になれない、とは思わなくなった」

最初に精子提供について話してから、しばらく経った頃。ある夜。ご主人から言いました。

「俺さ」

「うん」

「まだ100%平気じゃないよ」

奥様は、「うん」と答えました。

「多分、生まれてからも悩むことあると思う」

「うん」

「でも」

少し黙りました。そして、「精子提供だから父親になれない、とは思わなくなった」と言いました。

奥様は、それ以上何も言いませんでした。

夫が精子提供を受け入れるまで時間が必要なことがあります

無精子症などをきっかけに第三者からの精子提供を検討する場合、夫婦の気持ちが同じ速度で進むとは限りません。

妻は、「まだ子どもを持てる方法があった」と感じるかもしれません。

一方、夫は、「自分の遺伝的な子どもを持つ未来を失った」という気持ちの中にいるかもしれません。

その状態では、すぐにドナー選びや精子提供の話まで進めないこともあります。

「反対している」だけではなく、その前に、悲しみ。喪失感。罪悪感。嫉妬。父親になれるのかという不安。さまざまな感情が重なっている可能性があります。

診断後の気持ちの揺れと話し合いの進め方については、無精子症夫婦が精子提供を選ぶまでの心の整理と話し合い方でも整理しています。

「夫が精子提供に反対しています。どう説得すればいいですか?」

こうしたご相談をいただくことがあります。

ただ、精子提供は、どちらか一方を説得して進めればよい問題ではありません。

まず、夫が何に抵抗を感じているのかを整理することが大切です。

血のつながりなのか。ドナーの存在なのか。父親になれるのかという不安なのか。妻だけが遺伝的につながることへの複雑な気持ちなのか。自分自身の精子で子どもを持てなかった悲しみなのか。

理由は、一つとは限りません。

「どうして反対なの?」だけでなく、「何が一番怖い?」と考えてみることで、初めて話せることもあります。

逆に、妻の側が切り出せずにいるご相談もあります。その場合は夫に「精子提供を受けたい」と切り出せないでいる方へもご覧ください。

夫が精子提供を受け入れられないとき、よくあるご相談

精子提供を夫が拒否している場合、どうしたらいいですか?

まず、精子提供を受けることを前提に説得するのではなく、夫が何に抵抗を感じているのかを確認することが大切です。

無精子症などの診断を受けた直後は、精子提供について考える前に、自分自身の精子で子どもを持てない可能性そのものを受け止める時間が必要になることもあります。

血のつながり。父親になることへの不安。ドナーへの感情。夫婦の気持ちの速度差。一つずつ整理していくことが重要です。

夫婦だけで整理することが難しい場合には、男性不妊を扱う医療機関など、専門家へ相談する方法もあります。治療を続ける選択肢もあわせて考えたい場合は、無精子症の診断後、夫婦で考えたい3つの選択肢が参考になります。

血のつながりがない子を愛せるか不安です

これは、簡単に、「大丈夫です」と言える問題ではありません。実際に子どもが生まれる前に、将来の気持ちを完全に予測することはできません。

だからこそ、不安を隠したまま進めないことが重要です。

なぜ不安なのか。自分にとって父親とは何なのか。夫婦でどんな子育てをしたいのか。ドナーをどのような存在として考えるのか。生まれてくる子どもの出自についてどう考えるのか。

一つずつ整理していく必要があります。生まれた子どもへの伝え方については、精子提供で生まれた子への告知、どう向き合う?もご覧ください。

精子提供を夫に内緒で進めてもいいですか?

夫婦として子どもを迎えることを考えている場合、精子提供に関する重要な事実を共有せず進めることには、将来の夫婦関係や、生まれてくる子どもの出自に関して、大きな問題が生じる可能性があります。

そのため、「夫が反対しているから内緒で進める」という形ではなく、夫婦で十分に話し合ったうえで判断することが大切です。

具体的な法的な問題について不安がある場合は、専門家へ確認してください。法律上の親子関係の考え方については精子提供と親子関係|民法特例法を解説で概要を紹介しています。

夫がまだ精子提供を受け入れられなくても相談できますか?

はい。精子提供を受けると決めてからでなくても構いません。

「夫が反対している」「夫が血のつながりを気にしている」「ドナーについて知りたいだけ」「まだ夫婦で結論が出ていない」「どんな選択肢があるのかだけ確認したい」

そうした段階からでも、情報を整理することはできます。最初から、ドナーを決める必要はありません。

今すぐ結論を出さなくて大丈夫です

無精子症と診断された。夫自身の精子による妊娠が難しいと言われた。妻は精子提供を考えている。でも、夫は受け入れられない。

そんなとき、今すぐ結論を出す必要はありません。

精子提供を選ぶ。選ばない。まだ決めない。どれも、夫婦が十分に考えたうえで出す答えです。

今回のご主人も、最初は、「絶対に嫌だ」という気持ちでした。

そこから、何度も話して。何度もやめて。自分でも調べて。少しずつ、考え方が変わりました。

最後まで、「100%不安がなくなった」わけではありません。それでも、「精子提供だから父親になれない、とは思わなくなった」ところまで進みました。

まだ、決めなくても構いません。「もし夫自身の精子による妊娠が難しかった場合、私たちにはどんな選択肢があるのか」。まず、それを知るところからでも大丈夫です。

登録ドナーのプロフィールはドナーを探すでご覧いただけます。ご相談から提供までの進め方はご利用の流れにまとめています。

なお、ロジカル精子バンクは医療機関ではありません。無精子症の診断・治療や、妊娠の判定・診断については、医療機関にご相談ください。

「夫がまだ受け入れられない」という段階のままで構いません。気になることがあれば、お問い合わせからお気軽にお声がけください。

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